歩き出した日(深津 ver.)
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お婆ちゃんと話した日の夜、私は昔のアルバムを引っ張り出してきた。そこには思った以上に深津くんの写真が入っていた。相変わらず表情はあまり変わらないけれど、今より少し無邪気さはあるなぁ…なんて思いながら、ページを捲る。どの写真を見ても、私は楽しそうに笑っている。最近はもうずっとこんな風に笑っていないかもなぁ…なんて少し寂しい気持ちになった。
深津くんがこの街を離れる日、私は泣かずに笑顔で見送ろうと決めていた。でも実際は鼻水まで垂らして大泣きしてしまったのだ。その時、深津くんは私にこう言った。
「別に一生会えなくなる訳じゃ無いピョン。泣くと行き辛くなるピョン」
深津くんの声がいつもより少し優しかったのをよく覚えている。あぁ、寂しいのは私だけじゃないんだって思ったんだっけ。
深津くんも離れた街で頑張っている。
だから私も頑張って薬屋をやっていくんだ。
何度も何度もそう思いながら色んな事を乗り越えて来たんだよね…。
どうしてそんな風に思えたのかな。
その答えは、今こうなってみてようやくはっきりした。
私はアルバムを閉じ、立ち上がる。
早く行かなきゃ。
この気持ちを伝えるんだ。
早く、早く!!
先走る気持ちを追い掛けるように、脚が前に進む。どんどん速くなっていき、気付けば走っていた。もちろん、向かうのは深津くんの家だ。
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