始まりの日
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私は魔女の名前。
と言っても、この肩書きは名ばかりで魔物が居なくなったこの世界では魔法なんてほとんど必要無い。今は小さな薬屋をやっている。正直、生活は大変だけれど、薬を作るのも魔女に代々受け継がれてきた大切な役割なのだ。
今日は予約のお婆ちゃんが薬を取りに来るから、お茶でも飲んでゆっくり話そうと思っている。隣り街まで出向いて買った美味しい紅茶の葉っぱ、一番好きなカップに淹れて出すんだ。お菓子はお婆ちゃんが持ってくるだろうから、それを頂こう。
いつも以上に楽しい気持ちで浮かれていると、カランカランと鈴の音と共にお店のドアが開いた。そしてそこに立っていた人物があまりにも意外で思わず声を漏らしてしまう。
『ふ、深津くん…?』
「久しぶりピョン」
深津くんは私の幼なじみだ。今は遠い街に住んでいるはずなのに、何故ここにいるのだろう。
『え、どうしたの?里帰り?家の人に何かあったの?』
「…聞いてないのかピョン?」
『えっ…な、何を…?』
深津くんはやれやれと言わんばかりに少し間を置き、話をしてくれた。
魔物が居なくなり、占領されていた土地の探索中に王家に伝わる秘宝が見つかった。国王は先の短い自分より、この国で生まれ育った愛し合う若者たちにそれを全て渡すと言っているそうだ。
ただし、その愛は真実の愛でなければならないらしい。
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