15:正直、忘れてた
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ホームルームが終わった。
南くんと帰る約束をしていたが、担任に呼ばれたと連絡があり、私は教室で待つことにした。花子に残って勉強しようと誘われたが、約束があることを伝えると凄くニヤニヤしていた。勘の良い花子は、大体のことは気付いているようだ。
「詳しく教えろやー!」
『ちょっ…くすぐったい…こ、今度ちゃんと話すってぇ…!』
じゃれあっていると、ドアの方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。お客さんやで、と言われた方を見ると、立っていたのはお人形ちゃんだった。
(うわぁ、もう来たんかい…)
そう思いつつ、行くしかなかった。花子に『私を探しに来た人がいたら校舎の分岐点で待って貰って』とだけ伝え、私はお人形ちゃんの後をついて行った。
珍しくお人形ちゃんは1人だった。暫く歩くと、校舎裏の倉庫の前でピタリと足が止まった。そしてクルリと振り返り、可愛らしい顔で私をキッと睨みつける。
「インターハイが終わったら、私が南くんに告白するって初めに言うたんは覚えてる?」
『…覚えてる』
「で、朝何で一緒に登校しとったん?同じ駅から乗ってきたやろ」
『それは…付き合うてるから』
「は…?南くん…と?」
『南くんと』
そう言うと、お人形ちゃんの顔から一気に血の気が引いた。
「…いつから?もしかして最初に聞いた時から?」
『インターハイが終わってから。最初に聞かれた時はホンマに付き合うてなかった』
「私が告白するって知ってたのに…?」
『知っててんけど…』
言えない。
正直、忘れてたなんて…。
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南くんと帰る約束をしていたが、担任に呼ばれたと連絡があり、私は教室で待つことにした。花子に残って勉強しようと誘われたが、約束があることを伝えると凄くニヤニヤしていた。勘の良い花子は、大体のことは気付いているようだ。
「詳しく教えろやー!」
『ちょっ…くすぐったい…こ、今度ちゃんと話すってぇ…!』
じゃれあっていると、ドアの方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。お客さんやで、と言われた方を見ると、立っていたのはお人形ちゃんだった。
(うわぁ、もう来たんかい…)
そう思いつつ、行くしかなかった。花子に『私を探しに来た人がいたら校舎の分岐点で待って貰って』とだけ伝え、私はお人形ちゃんの後をついて行った。
珍しくお人形ちゃんは1人だった。暫く歩くと、校舎裏の倉庫の前でピタリと足が止まった。そしてクルリと振り返り、可愛らしい顔で私をキッと睨みつける。
「インターハイが終わったら、私が南くんに告白するって初めに言うたんは覚えてる?」
『…覚えてる』
「で、朝何で一緒に登校しとったん?同じ駅から乗ってきたやろ」
『それは…付き合うてるから』
「は…?南くん…と?」
『南くんと』
そう言うと、お人形ちゃんの顔から一気に血の気が引いた。
「…いつから?もしかして最初に聞いた時から?」
『インターハイが終わってから。最初に聞かれた時はホンマに付き合うてなかった』
「私が告白するって知ってたのに…?」
『知っててんけど…』
言えない。
正直、忘れてたなんて…。
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