14:父さんと同じニオイ
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翌日
夏期講習が再び始まる。束の間の休息で、クラスの皆の表情は明るかった。しかし休み明け早々、日直の私は休み時間の度に黒板を消さなければならなかった。
ふとチョークがかなり減っていることに気付いた。
事務員さんは来ていないため、用具室に直接取りに行かなければならない。そう思った時には、休み時間の残り時間が少なかった。
『花子、用具室まで行くからチャイムに間に合わなかったら先生に言うて欲しい』
「うん。分かった〜」
私は小走りで教室を出た。
職員室で鍵を借り用具室に向かう途中、久しぶりの声が聞こえた。
「番長!」
声がした方を見ると、玄関ホールの方から岸本くんが小さく手を上げて歩いてきた。
「何してんねん、こんな所で。サボリか?」
『ちゃうって〜!用具室に行くとこやねん。あ!そうや岸本くん、国体選抜おめでとう。合宿頑張ってな』
「…ヤボやけど一応聞いておくな。何で番長が国体と合宿のこと知っとんねん」
ニヤニヤしながら話す岸本くんは、全部お見通しなのだろう。
『もう…からかわんでよ』
「岸本、名字さん困らすなや」
向こうから南くんもやって来て、さり気なく私の横に立った。すると、茶化そうとする岸本くんの声をかき消すように、ワイワイとたくさんの人の声が聞こえてきた。
「こちらです」と得点3位の人(板倉)に連れられ、数人の他校生がゾロゾロと入ってくる。
「あ、南!岸本!」
お〜い!と無邪気に手を振る人物が、こちらに近付いてきた。
「今日からヨロシクなぁ!ん?こちらマネージャーさん?えらいキレイな子やね。初めまして、大栄学園の土屋淳でーす★」
土屋と名乗ったその人は、バッチンウインクと共に挨拶をした。
(うわぁ…なんかこの感じ、凄く馴染みがあるなぁ……あっ…父さんや…)
多少混乱していると、岸本くんが口を開いた。
「マネージャーちゃうわ。コイツはただの通りすがりの番長や」
「番長?」という他の人からの視線が私に向けられると、授業開始を知らせるチャイムが鳴った。
『あっ!用具室!あの…私これで失礼します』
ペコリと頭を下げ、一瞬チラリと南くんを見ると目が合った。小さくひらひらと手を振ると顔を赤らめ、プイッと顔を逸らした。
(あー、もう!何やそれ!可愛すぎる…)
私はニヤニヤがおさまらないまま、用具室からチョークを取り、少し遅れて授業に戻った。
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夏期講習が再び始まる。束の間の休息で、クラスの皆の表情は明るかった。しかし休み明け早々、日直の私は休み時間の度に黒板を消さなければならなかった。
ふとチョークがかなり減っていることに気付いた。
事務員さんは来ていないため、用具室に直接取りに行かなければならない。そう思った時には、休み時間の残り時間が少なかった。
『花子、用具室まで行くからチャイムに間に合わなかったら先生に言うて欲しい』
「うん。分かった〜」
私は小走りで教室を出た。
職員室で鍵を借り用具室に向かう途中、久しぶりの声が聞こえた。
「番長!」
声がした方を見ると、玄関ホールの方から岸本くんが小さく手を上げて歩いてきた。
「何してんねん、こんな所で。サボリか?」
『ちゃうって〜!用具室に行くとこやねん。あ!そうや岸本くん、国体選抜おめでとう。合宿頑張ってな』
「…ヤボやけど一応聞いておくな。何で番長が国体と合宿のこと知っとんねん」
ニヤニヤしながら話す岸本くんは、全部お見通しなのだろう。
『もう…からかわんでよ』
「岸本、名字さん困らすなや」
向こうから南くんもやって来て、さり気なく私の横に立った。すると、茶化そうとする岸本くんの声をかき消すように、ワイワイとたくさんの人の声が聞こえてきた。
「こちらです」と得点3位の人(板倉)に連れられ、数人の他校生がゾロゾロと入ってくる。
「あ、南!岸本!」
お〜い!と無邪気に手を振る人物が、こちらに近付いてきた。
「今日からヨロシクなぁ!ん?こちらマネージャーさん?えらいキレイな子やね。初めまして、大栄学園の土屋淳でーす★」
土屋と名乗ったその人は、バッチンウインクと共に挨拶をした。
(うわぁ…なんかこの感じ、凄く馴染みがあるなぁ……あっ…父さんや…)
多少混乱していると、岸本くんが口を開いた。
「マネージャーちゃうわ。コイツはただの通りすがりの番長や」
「番長?」という他の人からの視線が私に向けられると、授業開始を知らせるチャイムが鳴った。
『あっ!用具室!あの…私これで失礼します』
ペコリと頭を下げ、一瞬チラリと南くんを見ると目が合った。小さくひらひらと手を振ると顔を赤らめ、プイッと顔を逸らした。
(あー、もう!何やそれ!可愛すぎる…)
私はニヤニヤがおさまらないまま、用具室からチョークを取り、少し遅れて授業に戻った。
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