10:勝手に
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日
私は学校に来ていた。なんだかもう何年も来ていないような気がした。
大丈夫、と一呼吸おき教室のドアを開けた。
静まり返る教室、一気に降り注がれる視線…
「名前!」
花子の声が響いた。一度そっちを見て私はコクリと頷く。そして、入口に立ったまま再び教室の方を見た。
『皆、聞いて欲しい。私は皆と同じように行きたい大学があって、頑張って勉強してきた。1位だからって皆を見下したことはない。むしろ、一緒に頑張ってきたつもりやった。私はそういう気持ちでここにおるし、分かって欲しい。そしてスポ科の人たちと仲良くしとるけど、別に二人と付き合ったりしてへん。科に関係無く仲良くできれば良いし、嫌なら構わんかったらええ。そんなガキくさいこと言うてる方が恥ずかしいと思う』
少しの沈黙の後、花子は「うわぁぁん」と子どもみたいに泣いていた。
その様子を見た一人の男子が口を開く。
「あの日から名字が来なくなって、正直ヤバいなって思った。冷静に考えたら、オレらのしたことはただの僻みや。ホンマに悪かった…」
そう言うと、周りも同意し始めた。
「…なぁ名前、私この問題分からんねんけど」
「あ、オレもそれ分からんかった!」
皆の優しさに、涙が溢れてくる。
『…ちょっと待って…グスッ…アカンわ、私も分からへん』
「マジか。じゃあ無理やん」
教室に笑い声だなんて久しぶりだ。そう思っていると、花子が勢い良く後ろを振り向いた。
「井矢見!アンタも名前に謝りや!」
井矢見はムッとしたようで、何も言わずに俯いた。
私は井矢見の前に立った。
『いつも嫌味を言われて、ホンマはめっちゃムカついとった。もうやめて欲しい。私が嫌いなら構わんで欲しい』
ハッキリと、そう言った。
その後、すぐに担任がやって来て夏期講習が始まった。結局、井矢見は俯いたまま何も言わなかった。
自分の気持ちを、相手に理解して貰えるように素直に話すこと、どうしても理解されないならば我慢せず、誰かを頼る、別の方法を考える、もしくは断ち切れば良い。
これが私の結論だ。
こんなにも心が軽くなるなんて、損した気分だ。
私は久しぶりに自分の席に着いた。
.
私は学校に来ていた。なんだかもう何年も来ていないような気がした。
大丈夫、と一呼吸おき教室のドアを開けた。
静まり返る教室、一気に降り注がれる視線…
「名前!」
花子の声が響いた。一度そっちを見て私はコクリと頷く。そして、入口に立ったまま再び教室の方を見た。
『皆、聞いて欲しい。私は皆と同じように行きたい大学があって、頑張って勉強してきた。1位だからって皆を見下したことはない。むしろ、一緒に頑張ってきたつもりやった。私はそういう気持ちでここにおるし、分かって欲しい。そしてスポ科の人たちと仲良くしとるけど、別に二人と付き合ったりしてへん。科に関係無く仲良くできれば良いし、嫌なら構わんかったらええ。そんなガキくさいこと言うてる方が恥ずかしいと思う』
少しの沈黙の後、花子は「うわぁぁん」と子どもみたいに泣いていた。
その様子を見た一人の男子が口を開く。
「あの日から名字が来なくなって、正直ヤバいなって思った。冷静に考えたら、オレらのしたことはただの僻みや。ホンマに悪かった…」
そう言うと、周りも同意し始めた。
「…なぁ名前、私この問題分からんねんけど」
「あ、オレもそれ分からんかった!」
皆の優しさに、涙が溢れてくる。
『…ちょっと待って…グスッ…アカンわ、私も分からへん』
「マジか。じゃあ無理やん」
教室に笑い声だなんて久しぶりだ。そう思っていると、花子が勢い良く後ろを振り向いた。
「井矢見!アンタも名前に謝りや!」
井矢見はムッとしたようで、何も言わずに俯いた。
私は井矢見の前に立った。
『いつも嫌味を言われて、ホンマはめっちゃムカついとった。もうやめて欲しい。私が嫌いなら構わんで欲しい』
ハッキリと、そう言った。
その後、すぐに担任がやって来て夏期講習が始まった。結局、井矢見は俯いたまま何も言わなかった。
自分の気持ちを、相手に理解して貰えるように素直に話すこと、どうしても理解されないならば我慢せず、誰かを頼る、別の方法を考える、もしくは断ち切れば良い。
これが私の結論だ。
こんなにも心が軽くなるなんて、損した気分だ。
私は久しぶりに自分の席に着いた。
.