Another Story:春に追い付く
NAME CHANGE
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一方その頃、南と名前は来た道を戻っていた。
「アイツ、知り合いなん?」
『試験の時、隣りやってん。私のこと、高校生やと思っとるみたいで…』
そう言うと、南が面白く無さそうに「ふぅん」と声を漏らす。名前は思わずプッと吹き出してしまう。
「な、何笑ろてんねん」
『ううん。何でもなぁい』
一緒にいて長いが、南がこんな風にヤキモチを焼いたのは初めてかもしれない。新鮮な気持ちに名前は高校生の頃を思い出した。
好きだという気持ちを押し殺そうとしたあの夏。
好きで堪らなくて、全力で走ったあの夏。
全ての始まりは、あの夏からだった。
「合格おめでとう、名前」
また、下の名前…。
あの夏のように、南を好きという気持ちが沸々と湧き上がってくる。
『ありがと、烈…!』
思い切って名前も下の名前で呼んでみる。少し恥ずかしそうに、とびきりの笑顔で。その時、南がズキューンと音を立ててやられたのは言うまでもない。
「…ホンマ、今日は加減が効かへんと思うわ」
『え?何て?』
「いや…早よ帰ってお祝いすんで」
『うん!』
二人の新しい生活がまた始まっていく。
ようやく追い付いた春は、ずっと二人を待ってくれていたのかもしれない。
おわり
あとがき→
「アイツ、知り合いなん?」
『試験の時、隣りやってん。私のこと、高校生やと思っとるみたいで…』
そう言うと、南が面白く無さそうに「ふぅん」と声を漏らす。名前は思わずプッと吹き出してしまう。
「な、何笑ろてんねん」
『ううん。何でもなぁい』
一緒にいて長いが、南がこんな風にヤキモチを焼いたのは初めてかもしれない。新鮮な気持ちに名前は高校生の頃を思い出した。
好きだという気持ちを押し殺そうとしたあの夏。
好きで堪らなくて、全力で走ったあの夏。
全ての始まりは、あの夏からだった。
「合格おめでとう、名前」
また、下の名前…。
あの夏のように、南を好きという気持ちが沸々と湧き上がってくる。
『ありがと、烈…!』
思い切って名前も下の名前で呼んでみる。少し恥ずかしそうに、とびきりの笑顔で。その時、南がズキューンと音を立ててやられたのは言うまでもない。
「…ホンマ、今日は加減が効かへんと思うわ」
『え?何て?』
「いや…早よ帰ってお祝いすんで」
『うん!』
二人の新しい生活がまた始まっていく。
ようやく追い付いた春は、ずっと二人を待ってくれていたのかもしれない。
おわり
あとがき→