25:新たな決意
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飛行機を降り、荷物を受け取った。出口の自動ドアが開くと愛しい彼が私を出迎える。
私は迷わず、南くんの胸に飛び込む。
『ただいまっ!』
「…待たせ過ぎや」
この場面は宝石箱を開けた時のように、全てがキラキラして見えた。大切な思い出だ。
南くんの家に着くと、南くんのお母さんは大泣きしながら私を抱きしめてくれた。私も泣いてしまった。
南くんの部屋は、あの頃と同じくシンプルなままだった。この部屋で岸本くんに勉強を教えたな、と懐かしんでいると南くんが立ち上がる。
「渡すモンがあんねん」
そう言うと、本棚の上の箱から何かを取り出した。
『え…これって…』
それは卒業証書だった。しかも私の名前が書いてある。
「卒業式の日に名字さんの担任から預かったんや。あの先生、名字さんを卒業させてくれってかなり理事長に頼み込んだらしいわ。成績優秀で出席日数も足りてるんやからって」
『先生が…』
先生には本当にお世話になりっぱなしだ…と、当時の色んなことを思い出した。
「せやから、高校卒業の資格はあんねん。名字さん、もう一回、受験生やってみたらええんちゃう?」
そうか…受験資格はあるんだ……
それなら……
『決めた!やっぱり薬学部受験する』
「薬の研究者目指すんやったな」
『ううん。薬剤師の資格取って、南くんちのお店をやっていく』
「は?ずっと研究者になりたい言うてたやろ。店は将来、俺が継ぐやん」
『でも薬剤師は必要やろ?それに……恩返ししたいねん。もうこの気持ちは変わらへん』
「…そうか。ほな頑張りや、受験生」
こうして私は、南くんの家のお店を手伝いながら大学受験を目指すことになった。
夕飯を食べながら、このことを南くんの両親に伝えると凄く喜んでくれた。
「もう2人とも大人やし、さっさと籍入れたらええんちゃう?」
「そうやな。それがええわ」
どうリアクションするべきか困っていると、南くんは小さい声でこう言った。
「…そういうのんは、俺からちゃんと言わせてや」
ボッと赤くなった私
あら…と息子の成長を感じるお母さん
ヤボやったな、ととぼけるお父さん
あったかくて、くすぐったくて、幸せに包まれていた。
.
私は迷わず、南くんの胸に飛び込む。
『ただいまっ!』
「…待たせ過ぎや」
この場面は宝石箱を開けた時のように、全てがキラキラして見えた。大切な思い出だ。
南くんの家に着くと、南くんのお母さんは大泣きしながら私を抱きしめてくれた。私も泣いてしまった。
南くんの部屋は、あの頃と同じくシンプルなままだった。この部屋で岸本くんに勉強を教えたな、と懐かしんでいると南くんが立ち上がる。
「渡すモンがあんねん」
そう言うと、本棚の上の箱から何かを取り出した。
『え…これって…』
それは卒業証書だった。しかも私の名前が書いてある。
「卒業式の日に名字さんの担任から預かったんや。あの先生、名字さんを卒業させてくれってかなり理事長に頼み込んだらしいわ。成績優秀で出席日数も足りてるんやからって」
『先生が…』
先生には本当にお世話になりっぱなしだ…と、当時の色んなことを思い出した。
「せやから、高校卒業の資格はあんねん。名字さん、もう一回、受験生やってみたらええんちゃう?」
そうか…受験資格はあるんだ……
それなら……
『決めた!やっぱり薬学部受験する』
「薬の研究者目指すんやったな」
『ううん。薬剤師の資格取って、南くんちのお店をやっていく』
「は?ずっと研究者になりたい言うてたやろ。店は将来、俺が継ぐやん」
『でも薬剤師は必要やろ?それに……恩返ししたいねん。もうこの気持ちは変わらへん』
「…そうか。ほな頑張りや、受験生」
こうして私は、南くんの家のお店を手伝いながら大学受験を目指すことになった。
夕飯を食べながら、このことを南くんの両親に伝えると凄く喜んでくれた。
「もう2人とも大人やし、さっさと籍入れたらええんちゃう?」
「そうやな。それがええわ」
どうリアクションするべきか困っていると、南くんは小さい声でこう言った。
「…そういうのんは、俺からちゃんと言わせてや」
ボッと赤くなった私
あら…と息子の成長を感じるお母さん
ヤボやったな、ととぼけるお父さん
あったかくて、くすぐったくて、幸せに包まれていた。
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