24:今日がその日
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閉店の準備をしていると突然、名前を呼ばれた。振り返ると、一瞬見ただけなのにそれが誰か分かった。
私がずっと会いたくてたまらなかった人だ。
頭で考える前に涙が溢れ、視界が霞む。
私を引き寄せ強く抱きしめる腕は、あの頃よりもずっと逞しくなっていた。
私の声に驚いた夢子さんが外に出てきた。状況を見てすぐに分かったようで泣いて喜んでいた。
「あとは閉めておくから、帰りな」
そう言ってくれたので、すぐ近くに借りている私のアパートに向かった。
3年ぶりに並んで歩く。
最初に口を開いたのは南くんだった。
「心配した」
『ゴメン…』
「ホンマに…名字さんの強さと行動力はハンパやないな」
『言うたやん。南くんのためなら、何でもできるって』
「おう。せやから俺は、名字さんが望んだ通り、大学でバスケを続けたんや」
理事長に何もされなかったんだな、と胸を撫で下ろす。
『…ドラマチックの神様、やっぱりおるんやな』
「でも、この試練はエグいわ」
久しぶりに心地よいテンポで会話をし、私たちはアパートに入った。
私はあの日から今の生活に至るまでのことを、全て南くんに話した。話し終えると南くんは私を優しく包み込んだ。
「会いたかった」
『私も…』
「前にも言うたけど……名字さんを守れるのは俺しかおれへん。強すぎてその辺の奴らじゃ手に負えん」
『……っ…うん…』
「もう何も心配せんでええ。全部終わったんや」
南くんの指が私の涙を拭う。
『大好きやで、南くん…』
あの手紙に書いた最後の言葉を言ってみる。終わりではなく、新しい始まりの言葉にしたかったから。
南くんは切なそうに微笑み、私たちはそっと唇を重ねた。
ねぇ、南くん。
この唇で他の誰かに触れたの?
なんて聞けるはずもない。でも誰にも触れていないと確信できるのは何故だろう。
私は目を閉じ、温もりに浸った。
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私がずっと会いたくてたまらなかった人だ。
頭で考える前に涙が溢れ、視界が霞む。
私を引き寄せ強く抱きしめる腕は、あの頃よりもずっと逞しくなっていた。
私の声に驚いた夢子さんが外に出てきた。状況を見てすぐに分かったようで泣いて喜んでいた。
「あとは閉めておくから、帰りな」
そう言ってくれたので、すぐ近くに借りている私のアパートに向かった。
3年ぶりに並んで歩く。
最初に口を開いたのは南くんだった。
「心配した」
『ゴメン…』
「ホンマに…名字さんの強さと行動力はハンパやないな」
『言うたやん。南くんのためなら、何でもできるって』
「おう。せやから俺は、名字さんが望んだ通り、大学でバスケを続けたんや」
理事長に何もされなかったんだな、と胸を撫で下ろす。
『…ドラマチックの神様、やっぱりおるんやな』
「でも、この試練はエグいわ」
久しぶりに心地よいテンポで会話をし、私たちはアパートに入った。
私はあの日から今の生活に至るまでのことを、全て南くんに話した。話し終えると南くんは私を優しく包み込んだ。
「会いたかった」
『私も…』
「前にも言うたけど……名字さんを守れるのは俺しかおれへん。強すぎてその辺の奴らじゃ手に負えん」
『……っ…うん…』
「もう何も心配せんでええ。全部終わったんや」
南くんの指が私の涙を拭う。
『大好きやで、南くん…』
あの手紙に書いた最後の言葉を言ってみる。終わりではなく、新しい始まりの言葉にしたかったから。
南くんは切なそうに微笑み、私たちはそっと唇を重ねた。
ねぇ、南くん。
この唇で他の誰かに触れたの?
なんて聞けるはずもない。でも誰にも触れていないと確信できるのは何故だろう。
私は目を閉じ、温もりに浸った。
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