24:今日がその日
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今日は移動とミーティングのみで、残りは自由時間だった。俺は地元の大学の部員に名字さんの写真を見せ「この人を見たことがないか」と聞いた。
俺があまりにも真剣だったからか、からかわれることはなく、その部員は周りの奴らにも聞いてくれた。
その中で「え、これって…」という声があった。地元校のマネージャーだった。
「知っとるんですか?!」
「は、はい…もう少し大人っぽいですけど…よく友だちと行くカフェの店員さんにそっくりです」
俺はカフェの場所を聞き、急いで向かった。路地裏だから分かりにくいと言っていたが、明かりを見つけ、駆け寄る。もう閉店なのか、外を片付けようとする人影が見えた。
近付いて行くと、目に見えたのは月のモチーフがついたヘアゴムでポニーテールを結っている人だった。
少し痩せ、少女らしさは薄れていたが、そこに立っているのは紛れもなく、俺がずっと探していた人だった。
「名字さん!」
その人はこっちを振り返り、目を見開いた。そして子どもみたいに顔をクシャクシャにし、声を出して泣きながら崩れ落ちそうになった。
俺は駆け寄り、力いっぱい抱きしめた。
『…ウソぉ…ホンマに…会えた…』
砂漠のように乾いた心には、ずっと懸命に咲く小さな花があった。
今、その花は大きく鮮やかに開き始めた。
もうこのままずっと、消えないで欲しい。
「…もう絶対離さへん」
オトン、ホンマに〝今日がその日〟やったで。
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俺があまりにも真剣だったからか、からかわれることはなく、その部員は周りの奴らにも聞いてくれた。
その中で「え、これって…」という声があった。地元校のマネージャーだった。
「知っとるんですか?!」
「は、はい…もう少し大人っぽいですけど…よく友だちと行くカフェの店員さんにそっくりです」
俺はカフェの場所を聞き、急いで向かった。路地裏だから分かりにくいと言っていたが、明かりを見つけ、駆け寄る。もう閉店なのか、外を片付けようとする人影が見えた。
近付いて行くと、目に見えたのは月のモチーフがついたヘアゴムでポニーテールを結っている人だった。
少し痩せ、少女らしさは薄れていたが、そこに立っているのは紛れもなく、俺がずっと探していた人だった。
「名字さん!」
その人はこっちを振り返り、目を見開いた。そして子どもみたいに顔をクシャクシャにし、声を出して泣きながら崩れ落ちそうになった。
俺は駆け寄り、力いっぱい抱きしめた。
『…ウソぉ…ホンマに…会えた…』
砂漠のように乾いた心には、ずっと懸命に咲く小さな花があった。
今、その花は大きく鮮やかに開き始めた。
もうこのままずっと、消えないで欲しい。
「…もう絶対離さへん」
オトン、ホンマに〝今日がその日〟やったで。
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