この店員さん、夢子さんは母さんの同級生で、私が母さんの少女時代にそっくりで驚いたそうだ。


「今日は、こっちの実家に帰省？」

『まぁ…そんなところです』


この人は信用できる人とは限らない。もしかしたら、学校や警察に連絡をするかもしれない。しばらく黙っていると、夢子さんが口を開いた。


「…お父さん、ニュースになってたね」


私は思わず、バッと顔を上げた。


「もしかして、飛び出してきたの？」


私はコクリと頷く。すると突然夢子さんは、アハハハハと声を出して笑い始めた。私は呆気に取られるばかりだった。


「ゴメンゴメン。いやぁ、中身もお母さんに似てるなと思ってさ。大変だったね」


この人は信用できるかもしれない、と思った。


『母さんて、どんな人やったんですか？』

「まだ店があるから、終わったら話そうか。うちにおいで。行く所無いんでしょ？」







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