アホの子
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「あ!南!岸モン!こっちやでぇ~!」
奥の席で土屋が満面の笑みで手を振っとった。何でコイツ、いつもテンション高いねん。
「こっちが呼び出したんに、待たせて悪いなぁ」
「ええよー。練習しとったんやろ?どうしたん?今日は。」
「いやー、南が土屋の彼女がアホの子や言うから真相を聞きに来たんや」
「アホの子?」
「岸本、紛らわしい言い方すんなや。実はな…」
オレは電車での出来事を土屋に話した。
「名前は確か、名前って言うとったかな」
土屋は一瞬驚いたような顔をした後、大爆笑した。
「な、何やねん!別にオモロイこと言うてへんやんけ」
「ゴメンなぁ。それ彼女ちゃうわ。妹やわ」
「い、妹?全然似てへんやん」
「似てへんけど正真正銘、ボクの妹やで。んで何でその電車に乗っとるかというと、たぶん南目当てやな」
ニヤリと土屋が笑う。
「は?」
「ボクの妹な、めっちゃ南のファンやねん。初めて試合で見た時から、キャーキャー言いよったわ。でも何で南がその電車に乗ってるって知っとんやろなぁ。女の子って怖いなぁ」
土屋はストローでドリンクをチューっと飲んだ。
「何で南やねん!俺かてめっちゃ活躍しとるやん」
「岸モンのことも言うとったなぁ」
「ホンマか!何て?」
「髪の毛邪魔そうやなって」
「何やねん、ソレー!」
ギャーギャー文句を言う岸本と、アハハと笑う土屋をよそに、あの子が土屋の彼女ではないことを知り、少しホッとした自分がおった。
あれ?何でやろう。
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