初めてを紡ぐ
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カラオケボックスに着き、通された部屋は一番奥の小さめの部屋だった。荷物を置き、二人でドリンクバーへと向かう。
「いっちゃん奥やとドリンクバー遠くてしゃーないなぁ」
『確かにそうだね。でも私カラオケって廊下に人がいたりすると変に構えちゃうからちょうど良いかも』
「……」
『…土屋くん?』
「ん?何?名前ちゃん」
土屋くんは時々こうして黙ったり何か考えているような事がある。そして今みたいに惚けたように誤魔化す。もしかして何か気を悪くするような事を言ってしまったんじゃないか、他に好きな人がいるんじゃないか…と私はネガティブな事ばかり考えてしまう。
そもそもこんなにかっこ良くて優しい土屋くんが、可愛くもないし何の取り柄もない私なんかの彼氏だなんて、随分都合の良い話だ。
しかも、初めて出来た恋人だもんね…。
ちなみに土屋くんには初めてだという事は言っていない。変に気を使わせたら悪いし、面倒がられたら立ち直れない気がするから。
ねぇ、土屋くん。私、彼氏と二人でカラオケに来たの今日が初めてなんだよ。
手を繋いで歩くのも、髪を撫でられるのも、キスをするのも、全部土屋くんが初めてだったの。
何を歌うか迷っている楽しそうな土屋くんを見ながらそんな事を考えていた。
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