沢北栄治の葛藤と欲望
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何だかんだですっかり映画に見入ってしまっていた。今はちょうど、所謂感動的なシーンってやつの真っ最中だ。
ふと名前はどんな顔をして見ているのか気になり、視線だけを向けてみる。すると、名前は音も立てず静かにポロポロと涙を流していたのだ。
おいおい…何だよ…可愛いじゃねーか…。
観察している事を悟られまいと、視線をテレビに戻す。映画はどんどん盛り上がっていき、ついに名前がズズッと鼻水を啜り始めた。
『ね…ゴメン…ティッシュ取ってぇ……っ…』
名前は俺の肩を突きながら、目に涙をいっぱい浮かべてそう言った。
うわ……エッロ…!!
シてる時に『○○して』って言う時と同じ顔してる…!!
いやいや違う。名前は感動してるだけだ。ここでそういう方向に持って行こうとする程、俺は馬鹿じゃねーぞ…!
俺は自分の中で勝手に葛藤しながら、平静を装ってティッシュの箱を差し出した。名前は2、3枚取って鼻を覆うようにティッシュを持った。
『ん…足りないや。もう少しちょーだい?』
ティッシュを顔にあてて、もう少しちょーだい?え…それって顔にかかっちまった時の状況に似てねーか?
あ゛ー!!もうっ!!
何でそうなるんだよっ!!
何だ?別に溜まってる訳でもないしな…。いやもうコレはアレだろ。普通に名前が可愛すぎるからだろ。うん。そうだな。
こんな事を考えてるのだから、当然映画の内容なんて入ってこなくて、自分はあの頃とあまり変わっていないのではないかと軽く凹んだ。
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