鍵の行方、愛のみぞ知る
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『んー…やっぱり無いですねぇ』
名前がわざとやっている事は分かっていたが、この距離、しかも部室に二人きりという状況に魚住の理性ゲージはどんどん少なくなっていく。
「もう良いだろ?先生に報告してくるから退いてくれ」
『その前に、少し休憩しませんか?ずっと探してて疲れちゃいました…』
名前はそのまま魚住の膝に座った。普段はこんな大胆な事をしない名前に、魚住は戸惑う。
「ちょ…コレはさすがにマズいだろ…!」
名前はそのまま魚住の胸に耳を当てるように寄り添った。
『だって最近、二人でゆっくり出来る時間って無かったじゃないですか。魚住さんにもっとくっつきたいっていつも思ってるけど、我慢してるんですよ?魚住さんはそんな風に思ったりしないですか…?』
そう言うと、魚住の胸の鼓動はどんどん速くなっていった。名前は思わず顔を上げ、魚住の顔を見ると耳まで真っ赤にしていた。それが可笑しくて吹き出してしまう。
『アハハ!魚住さん、真っ赤〜!』
「…っ……忠告してもそうするなら、もうどうなっても良いんだな…?」
『えっ…?魚住さん…?』
魚住の真剣な表情に名前は一瞬躊躇った。そして腰に腕が回り、抱き寄せられたその時だった。
部室のドアがガラッと勢い良く開き、そこには指で鍵をくるくると回しながらご機嫌そうに立つ仙道の姿があった。
「おっと……鍵間違えて持ち帰りそうになったんだけど……お邪魔だったかな。悪いね、魚住さん」
仙道は比較的冷静にそう言い残し、今度は静かにドアを閉めた。
その後、名前と魚住の言葉にならない叫び声が校内に響き渡り、田岡監督が慌てて部室に駆け込んで来るのだった。
そして翌日、二人が付き合っている事は皆気付いていて、二人だけが秘密にしているつもりになっていると知る事になる。(勿論、田岡監督も知っていた。)
どうやら二人の愛は隠しきれないらしい。
お後が宜しいようで。
おわり
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