鍵の行方、愛のみぞ知る
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「見つかったか?」
『……見つからないです…』
陵南高校バスケ部の部室では、キャプテンの魚住とマネージャーの名前がかれこれ一時間以上、こうして探し物をしている。
それは、部室の鍵だった。
鍵はいつもフックに掛けているはずなのに、今日は何処にも見当たらない。しかも気付いたのがほとんど全員が帰ってしまった後だった為、こうして二人で探す事になったのだった。
「参ったな…。こう探しても無いんじゃどうしようもないな」
『今日は貴重品だけ職員室に預かるしかないですけど…見つからなかったら新しい鍵を付けなきゃですよね…』
「先生、怒るだろうなぁ…」
魚住は頭を抱えて座り込んだ。田岡監督はこういった管理不行届系の問題には特に厳しい。その場合、キャプテンである魚住に雷が落ちるのは間違いない。
「さて、先生に報告に行くか…。たぶん長くなるだろうが、お前は待っていてくれ」
魚住が立ち上がろうとすると、名前はそれを遮るように目の前に立った。
『…先に帰ってろ、とは言わないんですね』
「…もう遅いし、一人で帰れとは言えんだろう?」
名前は嬉しそうに微笑む。それを見て魚住は照れ臭そうに視線を逸らす。実はこの二人、部員達に内緒で付き合っているのだ。
『そういえば、魚住さんが座ってる椅子の後ろ、まだ探して無かった気がします』
「えっ…お、おい!コラ…!」
名前は魚住の膝の間に見える椅子に膝をつき、肩に手を掛けて椅子の奥を覗いた。必然と胸元が魚住の顔に近付く体勢になり、魚住は焦った。
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