指先から愛される
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今日は大学のクラスの同窓会がある。
卒業してから三年、何かあった訳では無いが何となく集まろうという事になったようで、声が掛かった。社会人三年目ともなればそれなりに仕事も慣れる頃で、心にも財布にも比較的余裕が出始める。その為か、殆ど全員が参加するという事だった。
殆ど全員…それなら、彼も来るのだろうか…。
彼とは、私がちょうど一年前に別れた恋人の事だ。名前は諸星大。大学生になってすぐに意気投合し、付き合う事になった。私の学生生活の全部に大がいた。バスケ部だった大の試合の応援に行ったり、講義の合間に会ってお喋りしたり、一緒にテスト勉強をしたり、長期の休みには近場に旅行に行ったりもした。
一緒にいると楽しくて心をぽかぽかにしてくれる人だった。大となら何だって乗り越えられると思っていた。
でも、出来なかった。
社会人になり、土日休みの大とシフト制の私は休みが合わず、会える時間が急激に減っていった。同棲する事も考えたが、社会人になりたての私たちにはそんな余裕も無く、すれ違う日々が続いた。そんな日々に限界を感じ、お互い納得する形で恋人という関係を終えてしまった。
その後は一度も会っていない。
もし、同窓会に来るのであれば今日が初めての再会という事になる。
嫌いになって別れた訳じゃないから、どんな顔をして会えば良いのか分からない。でも会えるのは素直に嬉しい。
期待と不安を纏い、私は同窓会の会場へ向かった。
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