青い春を渡る
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高校三年のインターハイが始まる前から、東京の深沢体育大学に声を掛けられていた。バスケをする環境は悪く無いし、是非にと言うものだから遠慮なく誘いを受けた。
初めて大阪を離れてあっという間に一年が過ぎ、東京での生活にも慣れ始めた頃、大事な法事があると親に何度も言われ、重い腰を上げて久しぶりに大阪に帰った。
「あっちゃん、久しぶりやねぇ〜!おばちゃんの事覚えとる?東京の学校行きよるんやろ?エラいなぁ〜。こない男前になって〜!」
「何や大阪で一番の選手なんやろ?親戚として鼻が高いわぁ〜。後で一緒に写真撮ろうや。な?」
今、自分に話しかけてきているこの人たちがどういう親戚なのか全く分からない。坊さんがお経を読んで祈祷したまでは良いが、そんなの一瞬で終わってしまい、すぐに宴会的なものが始まっていた。
親に目線をやると、「堪忍!」と小さく言いながら困ったようにしていて、今日呼ばれた本当の意味を悟る。恐らく、ちょっとここらで名の知れた僕の顔を見せろという圧が掛かったのだろう。まぁ確かにこのおばさんたちの勢いならば、断り切れないかもしれない。
あと少しの辛抱だと腹を括ると、後ろから声を掛けられた。
『あっちゃん』
振り向くと、そこには美人が多いと有名な女子校の制服を着た女の子が立っていた。ここに来て初めて認識出来る親戚だった。
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