Certified Stalker.
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朝
『深津先輩、おはようございますっ!』
「…おはようピョン」
元気に挨拶をする女生徒の名前は名字 おりお、気怠そうに返事をする男生徒の名前は深津一成。
二人は山王工業高校に通うごくごく普通の高校生だ。
しかしただ一つ、普通ではない事がある。
それは、おりおが深津の公認ストーカーだという事である。
この、後輩の女生徒が先輩の男生徒に元気良く挨拶をする微笑ましい光景を見る周囲の視線も今となっては〝日常〟になりつつあるが、一年ちょっと前までは異質な物を見る視線だった。
昨年の春に入学したおりおは、色んな意味で目立っていた深津にノックアウトされ、気付けば目で追い、耳をすまし、少し離れた所から様子を伺うようになっていった。こういうのは所謂〝ファン〟に分類される訳で、深津と同じ部活の沢北にだって同じように付き纏っている女生徒はいる。では、それと何が違うのか。それは、声を掛ける事だった。
『深津先輩、何してるんですか?』
『深津先輩、体操服姿も素敵…!』
『ちょ…調理実習ですかっ?!何作るんですか?!味見したいですっ!!』
というように、どこで何をしていようとも、必ずおりおは現れた。あまりにも堂々と付き纏う為、逆に深津はおりおに興味を抱くようになっていった。自分の何がそんなに良いのか。甘いマスクな訳でもなく、愛想が良い訳でも、頗る優しい訳でもない。大して言葉を交わした事もないのに、目が合うだけで黄色い声を放つ。名字 おりおという不思議な生き物の思考が知りたくて、辿り着いた結論が〝公認のストーカー〟というポジションだった。
そんなおりおだったが、唯一おとなしく深津を見ている時がある。
それは、深津がバスケをしている時だ。
邪魔をしてはならないと思っているからなのか、声を掛けられないくらいの迫力があるからなのかはよく分からないが、とにかくバスケをしている時はいつものように騒いだり、手を振ったりしなかった。それもまた深津が興味を示す要因となっていた。
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