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『寝た?』
「ああ。疲れてたのかすぐ寝ちまったよ」
『ふふっ…はしゃいでたもんね』
今日は藤真家の長男の一歳の誕生日だった。たまたま日曜日だったため、家族揃って祝う事が出来た。初めての誕生日、初めてのケーキに息子は終始喜びっぱなしで、今日はいつもより早く眠りについたらしい。片付けも済み、久しぶりに夫婦でゆっくりとした時間を過ごせそうだ。藤真はソファに座るchococoの横に腰掛けた。
「なんか、あっという間の一年だったよな」
『そうだね。大変な事もたくさんあったけど、一年経っちゃったんだね』
「アイツの寝顔さ、お前に似てるよな」
『へへ…そうかな?でもやっぱり、そのまま小さくしたってくらい健司にそっくりだよね』
息子は藤真によく似ていた。茶色がかった髪、睫毛の長い大きな目、薄い唇、まさに藤真健司の遺伝子がしっかりと受け継がれていた。
「いや、ふとした表情とかお前に似てるよ。中身もお前みたいに優しい子になって欲しいな。俺みたいにはならないで欲しい…」
藤真はこの容姿の為に色々と苦労してきた。例えば少しキツい表現で話したとしても、藤真は許されて、友人は許されないという事があった。そうなると「イケメンは何をしても許されるから良いよな」と離れていった人もいた。そういう事が増えていくと、見える世界はどんどん霞んでいく。
何が正しくて、自分がどうするべきなのかが分からなくなっていた事もあった。藤真はそんな自分が嫌いだといつも言っていた。
しかしchococoと出会い、見た目だけで勝手なイメージを持たれなかった事、他の皆と同じように接してくれた事、そして何より一緒にいると自分らしくいられる事が心地良かった。
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