夜道の約束
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
美里さんと並んで歩くのは久しぶりで、それだけでも緊張がヤバかった。何か話さなければと焦る程、何を言えば良いのか言葉が詰まる。すると突然、美里さんがしゃがみ込んだのだ。
「だ、大丈夫ですか?!」
『大丈夫。少し飲み過ぎたかもね。アハハ…』
しゃがみ込んだ背中は小さくて、俺の腕の中にすっぽりと収まってしまいそうなくらいだ。
『越野と全然喋れなかったからさ、つい皆の前で守ってだなんて言っちゃった。まぁ、酔ってるし、いっか!』
こんな時でも明るく振る舞う美里さんを見ていると、胸が締め付けられた。
「俺、今日美里さんに話したかった事があるんです」
『えー、何?』
美里さんの目をジッと見つめると、少し驚いたようにしていたが陽気さが勝り、ヘラヘラと笑っていた。この状態で気持ちを伝えて勢いで受け入れられるのはかっこ悪いし、そんなの美里さんにも失礼だ。
「でも、今この状態では言えません。今度…また会って貰えませんか?俺と二人で…」
そう言うと、美里さんは優しく微笑みながら『いいよ』と小さく答えた。
冷たい風が美里さんの背中を撫でる。
果たされるのかどうか分からないこの約束に縋るかのように、俺は美里さんを背中から抱き締めた。
『越野、あったかい…』
消え入るような美里さんの声が綺麗で、もうこのまま離せなくなってしまいそうだ。
次こそは、きっと伝えるから。
それまではどうか…。
おわり
あとがき→