夜道の約束
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そして、美里さんが来る日がやって来た。なんと俺は急なアポが入り、客先に出向かなければならなくなったのだ。美里さんと会えるのは飲み会が始まるまでオアズケだ。
幸先の悪さに多少不安を覚えながらも、俺は仕事に集中した。そして集中し過ぎてつい話し込んでしまい、気付けばかなりの時間が経っていて、俺は慌てて会場に向かった。
店員に予約者の名前を伝え、奥に通される。ワイワイと楽しげな声が響く店内の一番奥にに辿り着くと「こちらです。お連れ様お見えです」と店員が言った。
『越野!久しぶり!』
昨日電話越しに聞いたよく通る声が耳に響く。ずっと会いたかったその人は、前よりもずっと綺麗になっていた。肩まであった髪が短く切り揃えられていて、一際目を惹いた。
「お、お疲れ様です!遅れてすみません」
『仕事だったんでしょう?どうだったのよ〜』
「あ、何とか契約して貰えそうです」
『え、凄いじゃん!越野も成長したねぇ。たった一年なのに、色々変わるね。さぁ、越野も来たしもう一度乾杯しましょー!』
空いている席は美里さんと話せるような場所では無かったが、仕方なくそこに座った。結局、いつも顔を合わせているメンツから仕事や恋人の愚痴を聞かされるハメになり、俺の昨日の決意を返してくれ…と心の中で何度も叫んだ。そして、とうとう飲み会はお開きになってしまったのだった。
外に出ると少し肌寒くて、風が心地良かった。あの場で割り込んで美里さんの近くに行く勇気を出せなかった自分が恨めしい。しかし今度はいつ会えるか分からないんだし、せめて挨拶くらいはしないとな…。そう思い、美里さんに近付こうとした途端、バッチリと目が合ってしまった。
『あ、越野!今日も私を守ってよ』
「…っ……はいっ!」
チャンスが来た。周りにどう思われようとどうでも良い。俺は美里さんの横に行き、並んで駅方面に向かって歩き始めた。
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