5月22日
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「お前、妬いてんのか?」
三井先輩は少し嬉しそうに首を傾げながらニヤニヤしていた。いや…この流れ的にそうでしょうよ!!何、自分だけ気付いたみたいにちょっと誇らしげにしてんのよ…!!
「大丈夫だって。今年は断ったから」
『ハァ…三井先輩…そういうトコですよ、ホント』
「あ?何だよ。祝ってくんねーのか?」
あからさまにしょんぼりする三井先輩がやっぱり愛おしくて、思わずキュンとしてしまった。さっきまでの怒りがどうでも良くなってしまう。この人、分かっててやってるんじゃないの…?
『あー!もう!祝うに決まってるじゃないですか!!大好きな先輩のお誕生日を一緒に祝えるのは、彼女の私だけですからねっ!!』
「ちょ……声でけぇよ!」
『クソデカボイスで叫びたいくらい先輩が好きなんです!!』
「わ、分かった!分かったから落ち着けよ」
先輩は私の横に来て腕を引き、ギュッと抱き締めてくれた。あぁ、先輩のにおいがする…。
『…この腕の中も私の場所ですからね』
「あたりめーだろ」
『それから…』
「あー!もううるせぇ!少し落ち着けって!」
強制的に顔を上げさせられ、その割に優しく唇同士が触れ合った。少し驚いたけれど、身体の力がスーッと抜けていき、さっきまでの事がもうどうでも良くなってしまう。
ゆっくりと離れ、目を開けて見える先輩の顔はやっぱりカッコ良い。
『先輩、お誕生日おめでとうございます』
「サンキュー。さ、とっとと仕事片付けて何か美味いモン食って帰ろうぜ」
マイペースで、ちょっぴり天然で、でも男らしい、そんな三井先輩がやっぱり好きだと思った。
今度は、私が三井先輩の彼女です、ってちゃんと言わなきゃね。
5月22日、大好きな三井先輩が生まれた大切な日の事だった。
後日、私と先輩が抱き合っているのが他部署の人に目撃されていたようで、私たちが付き合っている事はあっという間に知れ渡ってしまったのだった。
ちなみに、新人くんのリアクションはと言うと…
「あ、何となく気付いてました〜」
だそうで…。
実はなかなか出来る子なのかもしれないと思ったけれど、三井先輩には黙っておこうかな。
おわり
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