五月晴れの下を君と。
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嫌いな青空はもうどこにも無くて、夜が更ける頃に俺は家を出た。連休で浮かれている街をすり抜け、約束の店へと向かう。
ドアを開ければそこはもう落ち着ける空間になっている。薄暗い照明と淡いジャズが作る空気が霞掛かって見える。その一番奥の席に彼女の姿があった。柔らかいブルーのワンピースと緩いウェーブの髪が気怠い雰囲気を漂わせる。
「こんばんは。何飲んでるの?」
『マスターが、今日の服と同じ色だからって出してくれたの』
「へぇ…じゃあ俺も同じの下さい」
マスターは柔らかく微笑み、軽く会釈をした。このマスターもまた余計な事を口にしないから安心出来る。
シェイカーを振る音が響く。
彼女といると、無言の時間も苦では無い。カクテルを口にする横顔も、グラスに添えられる指も、全てが儚くて美しい。
そこに淡い青紫のカクテルが差し出される。
「ブルー・ムーンです」
グラスを持つと彼女が自分のグラスをこちらに向けた。カチンと小さく乾杯をして、カクテルを口に含む。花のような香りが抜けた後、レモンの酸味で後味が良い。
「このカクテル、名字さんみたいだね」
『え?どうして?』
「それは、ベッドの中で教えてあげる」
耳元で囁くと、彼女は恥ずかしそうに微笑んだ。ここではこんな顔をしているくせに、ベッドの中の彼女は物凄く情熱的で、そういう所も好きなんだよな。
ほろ酔い気分で席を立ち、ネオンが煌めく通りへと向かう。これがお決まりだった。
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