受験生のゴールデンウィークの過ごし方
NAME CHANGE
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土屋の言う事は当たっていた。
名前は、土屋が好きだった。
バスケを始めてからどんどん注目されるようになり、女の子からキャーキャー言われていのも知っていた。もし土屋と同じ年齢だったら試合を観に行ったり、一緒に制服を着て学校にも行ける。
土屋から見たら自分はお姉さん的存在で、恋愛感情を抱いていると知られたら、距離を置かれてしまうのではないかと考えていた。
その内、土屋に好きな子や彼女でも出来たら諦めがつくだろうと思っていた。しかし、益々好きになっていく自分に嫌気が刺し、距離を置いた方が良いと思って留学までしてしまった。
これが本当の所だった。
土屋は全て見透かしたかのように、ジッと名前を見つめる。目を合わせていれば、きっと恋愛感情が顔に出てしまう。そう思った名前は、先程から土屋に掴まれていた腕をゆっくりと下ろし、俯いた。
『淳は何でもお見通しみたいやね』
「お見通しかどうかは分らへんけど、僕は名前ともっと一緒におりたいなぁって思うで」
それは、恋人として?それとも、近所のお姉さんとして?
答えを聞くのが怖くて問う事が出来ず、名前はそのまま黙り込んでしまった。すると、土屋が掴んでいた腕を自らの方に引き寄せた。突然の事に反応出来ず、名前は前に倒れ込み、気付けば土屋の腕の中にいた。
『えっ…ちょ…淳…?』
「勝手に留学するとか言って居なくなるし…ホンマ調子狂うわ…」
土屋は抱き締めたまま、名前の頭にそっと触れた。
「僕はずーっと名前が好きやった。名前が僕の事好きなんも気付いとった。高校卒業したら伝えよう思てずっと我慢しとったんやで…?」
土屋の声は小さく囁くようにそう言った。その声は愛しさに溢れていて、名前の胸に突き刺さる。
『そんなん…聞いてへん…』
「うん。言うてへんもん」
『私…っ……淳の隣りにおっても…ええんかなぁ…?』
「ええに決まっとるやん。頼むから泣かんといて?」
頬を伝って溢れる涙に土屋はそっとキスをした。視線が混ざると、自然と唇を重ね合う。
「早よ帰ってきてな。待っとるから」
『…っ……うん…』
すれ違ってきた想いが、ようやく交わり始めた。気持ちが温かくて、涙が出そうになる。
来年のゴールデンウィークは、二人で旅行に行きたいね。
そう笑う名前が愛おしくて、土屋は優しく目を細めた。
五月の風が窓から吹き入り、二人の髪を優しく揺らしていた。
おわり
あとがき→
