遠距離恋愛の楽しみ方
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『紳一は…寂しくなったりしない…?』
「…そりゃあなるさ。こうやって俺の腕の中にいる事を考えたりもする。でもな、電話で聴く向こうでの生活の話が面白いし、何より楽しそうな名前を見られるのが嬉しいんだ。俺は、名前の笑顔が大好きだからな」
『…ありがと。大好き!』
「俺もだ」
顔を上げるとキラキラと眩しい紳一の甘いマスクがある。
その目に見つめられると他の事なんてどうでもよくなってしまう。
一ヵ月ぶりに唇を重ねようとしたその時だった。
「おーい!牧くーん!丸見えだぞーっ!」
声の方を見ると、サーフィンを終えて海から上がってきた気の良さそうなおじさんがいた。
「ハハッ…見られてたか」
『え?!だ、誰?知り合い?』
「ここの大家さんだよ」
『えぇぇぇ…』
紳一は大家さんに向かって軽く手を挙げた。大家さんは困ったように笑いながら手を振っている。
「よし、先に挨拶しとくか」
『その方が良いね』
急いで玄関に向かい靴を履こうとすると、腕を引かれそのままチュッと音を立てて触れるだけのキスをされた。
「挨拶も大事だけど、こっちも…な。続きは後でだ」
悪戯っ気なんて全く無い紳一の微笑みに、私の心臓は忙しい。
その後、大家さんに「挨拶が先じゃ無かったのかよ」と言われるくらい、私の顔は真っ赤だったらしい。
次に会うまでの分を充電しなきゃいけないから、いっぱい甘えてやるんだ。
私たちの連休も遠距離恋愛も、まだ始まったばかりだもんね。
目一杯、楽しもうね。
おわり
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