ジャーニー
NAME CHANGE
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そして、翌日の昼休み
偶然にも名字さんは一人で窓の外を眺めている。横顔が綺麗でつい見惚れてしまいそうになるが、俺は意を決して声を掛けた。
「あのっ…名字さんっ…!」
名字さんはパッとこちらを見て、俺だと分かると柔らかく微笑んだ。
『ヤスくん、どうしたの?』
「あの…さ……」
言え!言うんだ、俺…!
汗びっしょりの手のひらをギュッと握って、次の声を振り絞る。
「こ、今度…良かったら部活、見に来て欲しいんだ…!バスケしてる俺を…見て欲しくて…」
言い終わる頃には全身の毛穴から汗が噴き出してるんじゃないかと思うくらいだった。名字さんは驚いたようにしていたが、その後パァーッと表情が明るくなっていった。
『えっ、良いの?!嬉しいっ!行く行く!』
本当に嬉しそうにしている彼女を見て、心の中で特大ガッツポーズをした。名字さんの笑顔もまた、俺の心を動かす魔術なのだ。
「ようやく前進したな、ヤス」
後ろから声がして、そこにはリョータが立っていた。もしかして見られてた…?
「ちょっ…名字さんの前なのにっ…」
小声で必死に隠そうとするものの、リョータはニヤニヤと俺たちを見ていた。
「名字サン、俺なんかに相談しなくても大丈夫だって言ったデショ?」
『うんっ…!ありがと、宮城くん…』
「えっ?!ちょ…どういう事…?!」
慌てる俺を見て、リョータと名字さんはクスクスと笑っていた。
状況から察するに、つまり…。
自分の顔がどんどん赤くなっていくのが分かった。それを見て二人はまた笑っている。
この二人にかけられる魔術なら、もう少し解けなくても良いと思った。
照れくさくて甘酸っぱい、不思議な青春の魔術。
おわり
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