フェノールフタレインは二滴くらいで
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早速実験が始まった。
仕切ってくれる人がいて、それぞれの役割を決めてくれた。
「じゃあ、南くんと名字さんは滴定液の調製をお願いします」
よりによってコレだ…。しかも調製は皆と離れた排気装置の所に行ってやらなければならない。
南くんの方をチラッと見ると、無表情だったがもはや嫌そうにしているようにしか見えなかった。
それぞれが持ち場につき始め、南くんも立ち上がった。そして動き出さない私を一瞬見ると、何も言わず排気装置の方へ行ってしまった。
すみませんね。私となんか組まされちゃって。
心の中でそう思いながら、渋々後ろを着いて行った。
調製はメスシリンダーできっちり体積を測らなければならない。薬品が入った瓶が大きくて一瞬怯んでしまった。
ここは薬品を仕込む係と仕込んだ量を記録する係に分かれるのが妥当だろう。当然、仕込む方が色々と大変な訳で、私は何も言わずに保護手袋を装着し、薬品瓶に手を掛けようとした、その時だった。
「…俺がやるわ」
『えっ…あ……はい…』
突然南くんがやると言い出し、テキパキと手袋を装着して薬品を入れ始めた。落ち着いて手を動かすその所作が綺麗で、思わず見惚れてしまう。
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