珍しく爽やかにオチを迎える話
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『なぁなぁ、プレゼントは?!』
「もちろん、用意しとるで!板倉!」
「はいっ!」
実理の合図で板倉が奥に何かを取りに行った。すぐに戻ってきたその手には、中が見えないように蓋がしてある物があった。
「開けてみ?満場一致でコレに決まってんで?」
『そ、そうなん…?何やろ…』
淳の言葉がさらに私をワクワクさせた。ブル大佐も興味津々で、においを嗅いでいる。
『ほな、開けるで!3、2、1……オープンッ!』
勢い良く蓋を持ち上げると、そこには何ともふわふわで美味しそうなだし巻き玉子が皿に乗っていた。
『……は…?え……何?』
あまりの予想外の事に変な声が漏れてしまった。南がブフッと笑ったような気がするが、気のせいということにしておこう。
「色々やってんけど、だし巻き玉子と納豆、めっちゃ合うんやって!騙されたと思って試してみぃ!」
実理の解説と共に、板倉の家に本当に腐る程あるという水戸の藁納豆とほっかほかのご飯が出された。もう何がなんだか分からない私は、とりあえず目の前の納豆ご飯とだし巻き玉子をぐちゃぐちゃに混ぜて頬張った。
『……うんまぁ…っ…』
またしても思わず声が溢れる。
「な?!美味いやろ?!」
「ホンマに美味しそうに食べるなぁ。なぁ、南」
「…そーやな」
「名前さん、おかわりもありますからね」
私が納豆ご飯を頬張るのを見て喜ぶ男子高校生四人。
一見おかしな光景だけど、皆の気持ちが嬉しいし、何よりこれが私たちなんだって思えた。
『こういう誕生日もアリやな!』
私の一言で皆も笑顔になる。
三人と幼なじみで、ホンマに幸せ。
実理に誘われたあの日、私もだし巻き玉子が合うんじゃないかと考えたと言ったら、喜んでくれるだろうか。
私たちには珍しく、爽やかにオチを迎えた素敵な誕生日になった。
おわり
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