珍しく爽やかにオチを迎える話
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パンッ!ポポンッ!
「「「ハッピーバースデー!!名前!!」」」
何ともポップな音が鳴り響いたかと思うと、幼なじみ三人が小さな三角のパーティー帽子を被り、クラッカーを引いたのだった。
『え……あぁ!!誕生日!!私!!』
「何、外人の片言みたいな事言うてんねん。驚いたやろ〜?サプライズやで、サプライズ!!」
実理は私がここに来るまで気付いていなかった事が嬉しかったようで、ニヤニヤしながら言った。誕生日なんて本当に忘れていた。
「お前、ホンマに気付いてなかったんか?何となく想像つくやろ?」
烈は呆れたようにハァとため息をついていた。三角帽子も無理矢理被らされてる感がハンパ無い。
「まぁでもスムーズに準備出来たし、良かったやん。あ、この帽子なぁ、名前の分もあんねんで!主役やから金ピカのゴールドやでぇ」
淳はこういうのが好きだから楽しんでいるのがよく分かる。きっと帽子を被るのを提案したのも淳だろう。
淳が金ピカゴールドの三角帽子をそっと被せてくれた。そして当然の如く〝本日の主役〟と書かれた襷も掛けられる。
「はいっ、お姫様。これで準備万端やで!」
淳の笑顔にはいつも助けられてきた。嬉しい時も哀しい時も。
『お…おーきに……』
今更感謝の言葉なんて伝えるのが小っ恥ずかしくて、ついボソボソと発してしまう。見兼ねた実理が私の肩に優しく手を置く。
「何照れとんねん。まぁ、俺の考えたサプライズが素晴らしいから、しゃーないけどな!」
「めっちゃ普通のサプライズやけどな」
烈が冷静にツッコミを入れ、あ、なんや、私らいつもこうやってきたやんけ。なんて安心してしまった。
私が生まれた日をお祝いしてくれる幼なじみたちといる時が、一番私らしくいられる。
改めてそう実感したのだった。
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