02:Préface
NAME CHANGE
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「──…ってな訳や」
俺は名前をマンションに連れて来て、今日までの事を全て話した。
さすがに戸惑っているようで、何も言わずに一点を見つめるだけだった。
『……ごめんなさ…い…。私…何も知らなくてっ……』
突然、ポロポロと涙を溢しながら名前は泣き出した。小さな背中を丸め、塞ぎ込むように顔を落とす。その肩をそっと抱くと、名前はギュッと俺にしがみ付いてきた。
「ずっとこうしたかった。やっと迎えた日なんやから、もう泣くな。俺にとってはめちゃくちゃ嬉しい日なんやから」
名前の髪から甘い香りがする。小さな身体はすっぽりと俺の腕の中に収まり、息遣いも分かる程近い。
『烈…ごめんね……ごめんねぇっ……』
肩を震わせ、咽び泣く声さえも愛おしくて堪らない。親指で涙を拭えば、泣いて真っ赤な目がこちらを見つめる。
「…お前は何も悪ない」
『でも…私はもう……』
「…もう……?」
旦那の事を言いたいのだとすぐに分かったが、そんなの承知の上で俺の気持ちはもう止められない。
「俺が名前を幸せにしたる」
そう言うと、再び名前の目から涙が溢れ出てきた。
その涙が何を意味するのか、俺にはよく分かる。
さっきまで曇っていた空が少しずつ晴れてきて光がさし込む。
寄り添って座るソファがギシッと音を立てて軋んだ。
続く