01:Aube
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烈に最後に会ったのは、忘れもしない大学最初の夏休みだ。
毎年一緒に行っていた花火大会に、その年も当然行くと思っていたため私は何気なく連絡をした。すると、返ってきた返事は思いもよらないものだった。
「今年は一緒に行かれへん」
理由を聞いても、行けないの一点張りだった。
何か嫌われるような事をしただろうか。
もしかしたら、彼女が出来たんじゃないか。それならそれで、ちゃんと言って欲しい。
考えても結局何も分からず、そのまま烈とは疎遠になっていった。
でも、烈への想いはずっと心の片隅に持っていた。
結婚してからも、ずっと。
大人になった、けれど私を見つめる優しい眼差しは少しも変わっていない烈が目の前にいる。
「今までの事、ちゃんと話すから」
掠れたような声で烈は言った。切なそうな表情に胸がギュッと締め付けられる。
周りは一気にグレーの世界になり、烈だけが薄荷色に優しく光を放っているように見えた気がした。
気付けば私は親に家に行くのが少し遅くなる事を伝え、烈が一人で暮らすマンションに向かっていた。
これが、全ての始まり。
続く