01:Aube
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実家までは電車で三十分も掛からない。地元の駅は相変わらず古い街並みに馴染んでいて、まるで子どもの頃にタイムスリップした気になる。
私はいつも近所の子たちと遊んでいた。何も考えずに、毎日泥んこになるまで走り回っていた。日焼けしても、膝を擦りむいても、いつも手を引いてくれる人がいたから、楽しくて楽しくて仕方なかった。
そして、気付けば私はその人に恋をしていた。
でも、想いを口にする事は出来なかった。
今でも私の心には、彼の優しい微笑みがしっかりと残っている。
「名前」
そう、こんな風にいつも優しく私の名前を呼んでたっけ。
「おい、名前」
あれ…?どうやらこれは思い出ではなく現実の声らしい。見ると、目の前にはずっと心に残っていたあの優しい微笑みがあった。
『つよ…し…?』
彼は南烈。高校生までは何をするのもずっと一緒だった。
私の青春全部に烈がいた。
でも、大学に行ってからは不自然な程に疎遠になっていった。
まるで、何かに引き裂かれるかのように。
「お前を迎えに来たんや」
『えっ…ど、どういう事…?』
状況が飲み込めない私は、ただ立ち尽くす事しか出来なかった。
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