04:Porte
NAME CHANGE
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関西圏を出た頃には、うっすらと空が明るくなってきていた。少し休憩しようと海辺に車を停め、俺たちは寄り添いながら海岸を眺めた。
『もうすぐ夜が明けるね』
「そうやな。寒ないか?」
『うん、平気。烈がおれば』
名前の髪の香りが鼻を掠める。
周りには何も無く、波の音しか聞こえなくて、世界に俺と名前だけになったような気になる。
『烈、もう流れ星みたいに消えないでね…?』
「流れ星?」
『あの時みたいに、突然さ…。贅沢な暮らしなんて要らんの。私は、烈といたい』
「俺もや。今度は二人一緒に消えるんやから、何も心配せんでええ」
視線がぶつかり、初めてキスをした時のように何の合図も無く目を閉じて唇を重ねた。
潮風で冷えた唇は冷たくて、重なった所からじわじわと熱が生まれてくる。
俺たち二人が生み出す、これがホンマの幸せってやつなんだと思う。
『私、今めっちゃ幸せ』
目を細めて俺を見つめる名前を朝陽が照らす。
眩しさの先にぼんやりと光が見えた気がした。
今日まで俺たちを繋いできた光なのかもしれないと思った。
二人で消え行く道は、
薄荷色に瞬く。
おわり