頬に、額に、桜咲く
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「最近どーも調子狂うんだよな。お前と新人が話してんの見ると」
『え…?』
「…あの夜から、お前の事、目で追っちまうんだよ…」
先輩の言葉に驚き、思わず横を見ると頬を染め、夜空を見上げていた。
『わ、私も…あの夜から先輩の事…気になってました…っ…』
思い切ってそう言うと、驚いたようにこっちを見た。そして恥ずかしそうにニッと歯を見せて笑った。もう…かっこ良すぎるってば…。
「…あんま新人とベタベタすんなよ」
『ふふっ…』
「何笑ってんだよっ」
『先輩、ほっぺが桜色になってますよ?』
「あぁ?!ほっとけ馬鹿!」
『先輩のそういうトコ、好きです』
やっぱり満開の桜より、あの日の桜の方が先輩らしいなと思っていたが、先輩の頬に咲いた桜が愛おしくて、自然と言葉になって溢れてしまった。
するといきなり肩を抱かれ、先輩の顔がゆっくりと近付いてくる。
え…ウソ…待って、心の準備が…!
ギュッと目を閉じると、ポコンッとマヌケな音がして額が少し痛くなる。どうやらデコピンされたらしい…。
「ブハハハ!お前のデコにも桜咲いてんぞぉ」
『…っ……そういうトコですよ、先輩』
「あ?何つった?ほら、乾杯しよーぜ」
子どもみたいに無邪気に笑う先輩はやっぱりかっこ良くて、ついペースに乗せられてしまう。
ま、いっか…。
私は先輩の手をそっと握った。
『先輩、来年もお花見しましょうね』
「……おう」
繋いだ手に桜の花びらが一つ落ちてきて、思わず私たちは笑い合った。今まで見た先輩の笑顔の中で、一番かっこ良かったと思う。
桜の咲き始めも、満開でも、舞い散っても、こうして先輩の隣りにいさせてね。
ゆっくり静かに唇を重ねながら、そう願った。
おわり
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