頬に、額に、桜咲く
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その後、会議やら何やらで気付けば定時も過ぎていた。18時くらいになると、三井先輩が鞄を持って私の所にやって来た。
「もう帰れるか?」
『あ、はい。帰れます』
「よーし、行こうぜ」
その笑顔にやっぱり胸は高鳴ってしまう。毎日合わせる顔なのに、どうしたものか…。
私たちは前と同じコンビニで買い物をして、あの公園に向かった。満開ということもあってか、今日は人がポツポツといる。前に座ったベンチが空いていたため、また同じ並びで座り、缶ビールをお互いに開ける。
「おー、咲いてる、咲いてる」
『やっぱり綺麗ですよね、桜って』
今日は月まで桜を見に来ているようで、ぼんやりと照らされた桜がより一層美しく見えた。
「…あの新人は、満開の桜って感じだよなぁ」
『あー…キラッキラしてますもんね。若いって素晴らしい…』
「随分懐かれてるみてーじゃねーか」
『懐かれてるって…ハハ…イマドキの子は皆あんな感じなんじゃないですかねぇ?』
三井先輩、私の事気にしてくれてるのかな…なんて自惚れた事を言える筈もなく、ちびちびとビールを飲む。
するとふわりと風が吹き、桜の花びらがさらさらと舞い落ちてきた。
『わぁ…綺麗…!先輩、今の見ました?』
「あ、悪い。見てなかった」
『えー、勿体ない…』
「…お前見てる方が面白えや」
突然何を言い出すかと思えば…からかわれているのだろうか?それとも妄想を拗らせた故の幻聴…?
どうリアクションすべきか分からず、私は黙って手の中の缶を見つめることしか出来なかった。
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