『こ、こんにちはっ』

「おう。カレーパーティー以来だよな。まだ一週間くらいしか経ってないのか…ハハ…何だか随分前な気がするなぁ」


花形先輩は話し方までかっこ良い。胸のドキドキ音を聞かれてしまいそうで、少し猫背になってしまう。こうなったらもう逃げる事も隠れる事も出来ない。私は勇気を振り絞って声を出した。


『あ、あの…先輩っ…！れ、例の〝お返事〟の件なんですけどっ…！』


言った…！言えた！


心の中でガッツポーズをしながら、ゆっくりと先輩を見上げると、ただジッと私を見つめていた。かっこ良すぎて直視出来ない…。

私は少し俯き、ギュッと手を握って声を発した。


『あの…あれはその……愛の告白と受けて宜しいのでしょうか…？』


そう言うと、花形先輩はキョトンとした後、声を出して笑い出した。


「アハハハハ…！」

『なっ…！何で笑うんですかっ！』


その後暫く先輩の笑いは止まらなかった。花形先輩ってこんな風に笑うんだなぁ…なんて思いながら、その笑顔に見惚れてしまう。


「悪い、悪い。愛の告白のつもりだったんだが…伝わらなかったか？」

『いや…あの…そうだったら嬉しいなぁって思ってはいるんですけど、私なんかのどこが良いのかと思うと、自惚れなんじゃないかって…』


そう言った途端、さっきまで笑顔だった花形先輩の顔付きが急に変わった。


あの時と同じ、真剣な顔。




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