凍える身体を温めて


凍える身体を温めて(木暮ver.)


「ゴメン、待たせちゃって」


部活を引退した木暮先輩は、今まであまり構ってやれなかったからと、毎日私と帰ってくれる。受験勉強で大変なはずなのに…。そんな優しい彼が、私は大好きだ。


『ふふっ…木暮先輩、眼鏡が曇ってますよ?』

「わわっ…本当だ。走って来たからかなぁ」


木暮先輩は慌てて眼鏡を外して拭き始めた。眼鏡を外した木暮先輩もとても素敵だということを知っている人は少ないだろう。綺麗な目をしていて、その目に見つめられるともう何も要らなくなってしまう。


『眼鏡を外した木暮先輩、やっぱり好きだなぁ』


まともに顔を見られず、背を向けてモジモジとしか言えなかった。チラリと木暮先輩を見ると、恥ずかしそうに顔を赤らめている。


「でも…さ…眼鏡が無いと、ちゃんと見えないよ?俺も君の笑顔が大好きだから」


にっこりと優しく微笑む木暮先輩にノックアウトされてしまった。やっぱり眼鏡の木暮先輩もかっこいい…。


寒いのは嫌いだけど、こんな素敵な先輩が見られるなら、少しだけ好きになれそうな気がした。



おわり

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