凍える身体を温めて
凍える身体を温めて(清田ver.)
「おっはよ。さみーな!」
登校中歩いていると、マフラーをぐるぐる巻きにしたクラスメイトの清田くんが隣りに並んだ。
『おはよう、清田くん。寒いよね〜。暑いのも嫌だけど…』
「俺は暑い方が断然好きだな」
『清田くんは暑いのが似合うよね〜』
「何だよ、俺ってそんなに暑苦しい奴?!」
寒いと身体を縮こめながらも、相変わらず清田くんは元気いっぱいだ。そんな彼を見ていると、こっちまで元気になってしまう。
『暑苦しいっていうか…太陽みたいにポカポカした感じかなぁ。皆の太陽だね』
そう言うと、清田くんの足がピタリと止まった。
『清田くん…?』
「俺は、お前だけの太陽で充分だっつーの」
『へっ…?!』
さっきまで寒かった私の身体が、ポカポカと熱を帯びて行く。
『なんか良いね、それ』
(コイツ、意味分かってんのか…?)
とぼけてしまったけれど、清田くんはとっくに私の太陽だった。
入学した時から、ずっと。
おわり