凍える身体を温めて
凍える身体を温めて(神ver.)
やってしまった…。
思いっきり制服のブレザーに牛乳を溢してしまった。牛乳がついた所を軽く水で流したのは良いものの、当然、今日は着ていられない。
冷たいし、クサイし、そして何より寒い!!
こうなって初めて、ブレザーのありがたみに気が付いた私は、ブレザーの水気を切り、女子更衣室にでも干しておこうとトボトボ廊下を歩き始めた。
「ちょっと…ブレザーどうしたの?」
突然後ろから声を掛けられ、手を引かれた。声だけで誰か分かる。彼氏の宗一郎だ。
『牛乳…溢しちゃって…』
「牛乳…?嫌いじゃなかったっけ?」
『……』
私が嫌いな牛乳を飲んでいたのは他でもない、胸を大きくする為だ。貧相な自分に嫌気がさす。
「バカだな。あのこと、気にしてんの?」
『だって…宗一郎も少しはあった方が良いでしょう?』
そう言うと、宗一郎はハァと溜息を漏らし、バックから部活のチームジャージを取り出して私の肩にかけた。
「そんなの全然気にしてないよ。そのまんまで充分、可愛いよ」
『宗一郎…』
「あっ…」
『え、何?どうしたの?」
宗一郎は困ったように、私の耳元で囁いた。
「ジャージがブカブカで、なんかいやらしい」
その言葉に、私の身体は一気に熱くなったのだった。
おわり