凍える身体を温めて
凍える身体を温めて(牧ver.)
一人暮らしの大学生は、お金が無い。だから少しでも節約しなければならない。
『私、今年の冬はエアコン使わない。コタツだけで寒さを凌ぐ!!』
急遽休講になった講義の時間、私は彼氏の牧くんと学食で時間を潰しながら宣言した。
「そうか…でも、コタツだけじゃ上半身が寒いだろう?」
『寝そべって肩まで入るもん』
「飯の時はどうするんだ?」
『そ、そっか……よく考えたら、牧くんがうちに来た時、寒いよね…』
牧くんは背が高いから、うちのコタツに肩まで入っても足がはみ出てしまうだろう。ど、どうしよう…。
「そうだ!俺がお前を後ろから抱き締めたら寒くないんじゃないか?」
牧くんは割と真剣にそう言った。
『……でも、それじゃ牧くんが寒いんじゃ…?』
「俺は大丈夫だ!よし、それに決定だ!」
楽しそうに微笑む牧くんの笑顔とちょっぴり天然なところが、私にとってコタツよりもずっと温かく感じるよ。
そう思った。
おわり