凍える身体を温めて


凍える身体を温めて(花形ver.)


「スマン…大丈夫か?」

『うぅ…立てない…かも…』


仕事が忙しく、透に会ったのは1ヶ月ぶりだった。だから玄関のドアが閉まった途端、お互い貪り、求め合った。そして今は、ひと段落した所だった。


「がっついてしまってすまない。でも、触れたくて堪らなかったんだ」


恥ずかしそうにしながらも、しっかりと自分の思っていることを言葉に出来る透が好き。私もちゃんと言葉にして伝えなきゃ!


『いいの。私も…その…触れられたかったし…。それに…冷えた指先に触れられたら、なんかゾクゾクしちゃった』


よし、言えた!だって本当だもん。と思いつつ、恥ずかしい私は透の方を見ることが出来なかった。しかし、透が何も言わないためチラリと目をやると、嘘みたいに真っ赤になっていた。


「…すまない。まだ熱が収まらないようなんだ」

『へ?』


透は私を抱き抱えてお風呂場に向かい、「歩けないなら座っていれば良い」と再び愛し合ったのだった。


お風呂で温まった指にも、ゾクゾクしてしまった。



おわり

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