ラスト制服キッス
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三月のとある朝
いつものように名前は店の前をほうきで掃除していた。
ふと、豊玉高校の制服を着た女生徒と着飾った母親が並んで歩く姿が目に入り、一目見て卒業式だと分かった。
(卒業式か…)
記憶は高校三年生の三月に遡る。
卒業式を終え、南と名前は当たり前のように一緒に帰る。南は卒業証書が入った黒い筒で肩をポコポコと叩き、眠そうにしていた。
廊下では友人や後輩と別れを惜しむ人たちの声がザワザワと響いている。
玄関が近付くと、外から春を思わせる風がふわふわと流れ入ってきていた。
『あ、南!上履き閉まったらアカンて。持って帰らな』
「…あぁ、そうやな。ボケとったわ」
靴箱に上履きを置いて帰ろうとするのは、三年間毎日のように続けてきた習慣であり、そういう日常の当たり前がもう当たり前では無くなる事に戸惑う恋人の姿が妙に愛おしかった。
制服姿も今日で見納めだ。
動きにくくて極力着たくなかったこのブレザーにもう袖を通す事は無いと思うと、急に寂しくなってくる。
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