春、別れの季節。
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卒業式が終わり、俺はホームルームをサボってあの日と同じ場所にいる。
今日もこれからみっちり夜まで練習はあるのに、急に何もかも変わってしまうようで妙な感じがした。
こんな風に物思いに耽るってやつを自分がするなんて思いもしなかった。ハァ…とらしくない溜息が自然と吐き出される。
『何してんの?』
背後から声がした。
あの日と同じように。
ゆっくりと振り返ると、そこに立っていたのはやっぱり名前さんで、優しい微笑みもやっぱりあの日と同じだった。ただ、あの日と違って制服を着ていて、その胸には〝祝・卒業〟と書かれた赤いリボンが付けられている。やっぱり卒業してしまうんだと見せつけられた気がした。
「名前さん、ホームルーム終わったんすか?」
『ううん。サボった。なんかすっごい寂しそうに清田がこっちに行ったからさ。追いかけてきちゃった』
「…っ……」
言葉が詰まってしまった。こんな風に俺に優しいのはやっぱり後輩だからなのだろうか。神さんにも同じ事をするのだろうか。
『清田…?』
心配そうに顔を覗き込むその仕草は、初めて会ったあの日と同じように可愛らしい。でもあの日よりもっともっと##NAME##さんを好きになっているから、同じその仕草がもっともっと可愛くて堪らない。
「名前さんっ…俺っ……!」
言いかけたその時、ブワッと吹き上がるような風が吹いた。
あの日と同じように、名前さんの額が見える。
あぁ、駄目だ。
抑えられっこない。
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