Already a Beginning.
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「初めは、アイツ俺がおらんで大丈夫なんか、とか後輩として気にしとったつもりやってんけど、どうやらそうや無くてなぁ。……お前と離れて、自分の気持ちに気付いてん。ホンマ、意外やけど」
『き、岸本さんっ…あの…ちゃんと言って下さい。私、文脈から判断とか苦手なんです…っ!』
「ハァ……お前はホンマに手が掛かるわ…。ええか、一回しか言わんからな?」
『は、はいっ』
「俺、ぱこの事、好きみたいやねん」
頬を少し染めながら岸本さんは優しくそう言った。私にとっても意外な事で、でもすっごく嬉しくて、胸のドキドキが速くなる。どうしよう…う、嬉しい…っ…!
「ブハハハ!耳まで真っ赤やんけ!」
『えっ?!ウソっ?!』
そう言われ、思わず耳に触れようとすると、岸本さんの手が私の手首を掴んだ。驚いて思わず見上げると、岸本さんは優しく微笑んでいた。
「毎日顔見たいくらいや」
『えっ…?!こ、こんな顔で宜しければ、い、いつでもどーぞ!』
「ほな、遠慮なく」
本当に一瞬の事でよく分からなかったが、チュッと音を立てて唇同士が触れ合った。その後また岸本さんがニッと歯を見せて笑うものだから、胸のドキドキがさらに速くなっていく。
「ほれ、早よ行くで」
目の前に大きな手が差し出される。
そっと手を重ねると、ビビビと電気が走ったみたいに世界が変わった気がした。
その時、見上げた岸本さんの耳が真っ赤だった事に気が付いてしまったけれど、言わないであげよう。
この気持ちは、もうずっと前から側にあったのかもしれないなぁ。
不器用な私たちにはお似合いな、恋の始まりなのかもしれないね。
おわり
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