僕の幸せは、君の幸せの先に
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今夜のメニューは俺がリクエストした揚げ出し豆腐と茄子の素揚げの煮浸しだ。あとは鰆の塩焼き、菜の花のポン酢和え、海苔の味噌汁だった。
「我が家の食卓はすっかり春やなぁ」
『お!烈も旬の食材が分かるようになってきたねぇ』
ぱこの実家では季節の物を食べるという習慣があり、特に食へのこだわりが無い俺は結婚してから何がいつ旬なのかを随分教えて貰った。そしてそれを当てると嬉しそうに笑うぱこを見るのが好きだったりする。
そして〝こういう日〟に晩飯を食う時、ぱこはチラチラと俺が食べるのを見てくる。
『美味しい?』
「ん…美味い」
『おかわりもあるよ』
「ん」
俺の箸が進むとホッと安心したように、自らも口に箸を運ぶ。いつもと違ったのは、その時ぱこが少し泣きそうになっていた事だった。
それから片付けをして風呂に入り、寝室に向かった。我が家は寝室は一緒だが、ベッドは別々だった。シングルベッドが二つ並ぶ部屋にはぱこのちょっと高い(らしい)シャンプーのにおいがふわふわと漂う。
またいつもと違ったのは、ぱこが俺のベッドに寝転んでいた事だ。イヤホンを装着し、激しめのロックを音漏れさせながら聴いて足をバタバタさせている。
俺に気付いたぱこは音楽を止め、イヤホンを外した。そして少し恥ずかしそうに口を開いた。
『今日、こっちで一緒に寝ても良い?』
「ええよ。ほれ、電気消すで」
『はーい』
オレンジ色の豆電球だけを点けて俺もベッドに潜り込んだ。自然と俺が腕枕しながらぱこを抱き締める体勢になる。ここで俺は少し話をしてみる事にした。
.