風に乗る
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「あれ、ウェンディじゃないか?」
遠征帰りの途中、高野の指す方を見ると、うちの制服を着た女がサラリーマン風のおっさんと連れ立って歩いていた。
同じクラスのウェンディは最近学校を休みがちだったが、こんな所で何をしているのか。隣りを歩くおっさんのデレデレ具合から、父親って訳でも無さそうだ。
「悪い。先に帰ってくれ」
俺は部員たちとはその場で別れ、ウェンディたちの後をつける事にした。ふと人通りが少ない通りに入ると、おっさんが声色を変えてウェンディに話しかけた。
「ね、もっとお金出すからさ、一緒にカラオケ行こうよ」
『ん〜…でもカラオケって密室でしょ?ちょっと怖いかな』
「大丈夫だって!ホント普通にカラオケするだけだからぁ」
うわ…めちゃくちゃベタな展開だな…なんて引いてしまう余裕はあったが、とりあえず早い方が良いと思い、俺は駆け寄ってウェンディの手を取った。
「おい、何してんだよ。学校はどうしたんだよ」
突然の事に驚いたのか、目をまん丸にして俺の方を見ている。隣りのおっさんもあからさまに焦っている。
『えっ…ふ、藤真こそ、こんな所で何してんのよ』
「俺は遠征帰りだっつーの。ほれ、行くぞ」
俺はそのままウェンディの手を引き、駅の方へ歩き出した。おっさんは特に何も言わず、追い掛けてきたりはしなかった。
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