鬼は外どころか…
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節分の日
安田は仕事を終えて、予約していた恵方巻を近所の寿司屋に取りに行き、彼女の家に向かって歩いていた。
平日ど真ん中だったが、彼女が一緒に恵方巻を食べたいと言ったため、今日は彼女の家に泊まって明日はそのまま出勤する予定だ。
名前と付き合ってもうすぐ一年になる。お互い仕事が忙しく、会うのは金曜日の夜から週末にかけてがほとんどだった。
(こんな平日に会うなんて何だか新鮮だな…)
安田の足取りは軽く、寒空の下をホクホクと進んで行った。
合鍵を持っているが、念のため着いたことをメールで連絡する。すると、〝入って良いよ〟とすぐに返信がきた。いつもならバタバタと走ってきて玄関のドアを開けてくれるのに、今日は何だかいつもと違う。不思議に思いながらも安田は鍵を回し、ドアを開けた。
「ただいま」
小さく呟くがいつものお出迎えが無い。もしかして体調でも悪いのだろうかと安田は急に焦り、急いで靴を脱いでリビングに向かった。
「名前?大丈……」
〝大丈夫?〟が最後まで言えなかった。何故なら、目の前には虎柄の布で胸と下半身のみが隠れ、同じ柄の靴下と鬼の角のカチューシャをつけた名前が恥ずかしそうにモジモジと立っていたからだ。
安田は思わずドアを閉めた。
(ん…?あれ…?今の何だろう…。会うのが嬉しくて変な幻覚が見えた…?)
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