一番大事な事
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その部屋は今は物置になっていて、捨てる物と取っておく物を選別し切れていない状況だ。そこで、子どもたちに箱の中身を出して貰い、名前が判別することにした。
一人でやるよりも格段に捗り、子どもたちも楽しそうにやっていた。すると、次男が何かを見つけたようで大きな声で名前を呼ぶ。
「おかあさ〜ん!これなぁに〜?」
『んー?どれー?』
名前は立ち上がって次男の方に向かう。次男が持っていたのは白と黒のデザインが特徴的なバッシュだった。
『コレはなぁ、お父ちゃんの大切な靴や』
「お父ちゃんの?何で履かへんの?」
『普通の靴とちゃうねん。バスケットする時の靴やねん』
「えっ?!お父ちゃんバスケットしとったん?!」
そういえば子どもたちにそういう話をした事が無かったなと名前は思った。そして、ゆっくりと話し始める。
『お父ちゃんは大阪の代表になってな、全国大会に行った選手なんやで。しかもキャプテン。めっちゃかっこ良かってんで〜』
「そうなんやぁ。お父ちゃん凄いやん!」
『確か写真もあるはずやで。ちょっと待ってな』
お父ちゃん大好きな次男はキャッキャと楽しそうにし、長女はまだよく分からないようで他の箱の中に夢中だった。そんな中で長男のリアクションがイマイチ薄いなと思い目線をやると、南のバッシュを手に取り、ジッと見つめていた。
『どないしたん?』
「…僕もやれるんかな」
『え?バスケットを?』
そう聞くと、長男は黙ってコクリと頷いた。今見てもかっこいいデザインで、子どもから見たら凄く大きいバッシュから何か思う事があったのだろうか。運動会の時もそうだったが、南に憧れるような眼差しを向けていたのもまた長男だった。
南が北野さんを見て憧れたように、長男も父である南に憧れを抱いているのかもしれない。やっぱり親子なんだなぁ、と名前は思った。少し伏目がちにバッシュを見つめる横顔は南によく似ている。
『一緒にお父ちゃんに話してみよか。バスケット教えてって』
「ホンマに?!お父ちゃん教えてくれるかな?!」
『きっと喜ぶと思うで』
その後、南の写真を探して皆で見たりして、結局片付けは殆ど進まなかった。しかし、三人とも楽しんでいたようだった。名前も久しぶりにバスケをする南を写真で見て、初めて試合を見に行った国体の事を思い出した。普段以上にかっこ良くて、ドキドキがおさまらなかったのが昨日のことのようだ。
子どもたちにもそんな青春がこれから訪れるのかと思うと少し羨ましかった。
.
