受験生に息抜きを。
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俺も何も言えなくなり、お互い沈黙が続く。すると名前が俺の手をギュッと握り返し、ようやく口を開いた。
『じ、実はさ……私ね……』
ゴクリ…。
思わず唾を飲み込む。
『今日……ブラしてくるの忘れちゃったのっ……!!』
目をギュッと閉じ、顔を真っ赤にしながら名前は言った。その言葉に俺は思わず「へ…?」とマヌケな声を出してしまった。
『今朝、ちょうど公延に声掛けられるちょっと前に気が付いてさ…。いくらセーター着てるとは言え、周りにバレちゃうんじゃないかって思って…』
恥ずかしそうに、真剣に話す名前を見て、ヘロヘロと身体の力が抜けていく。
「な…なんだ……いや…そうか…。それなら朝言ってくれれば良かったのに」
『だって…言ったら公延が授業に集中出来ないと思ったんだもん。大事な時期なのにさ…』
やっぱり名前は優しい。こんな状況でも俺を気遣ってくれるだなんて…。
つい表情が緩み、見られるのが恥ずかしくて咄嗟に俺は名前を抱き締めた。
「ありがとうな。でもさ、正直言うと名前の様子がおかしかったから、心配で今日は授業どころじゃ無かったよ」
『えっ…?!ご、ごめんね…』
「ハハッ…良いよ。授業より名前の方が大切だから」
『…っ……公延〜っ!』
名前は俺の首に腕を回し、ギューッと力強く抱きついてきた。俺も強く抱き締めようと腰に手を添えると、予想外の声が発せられる。
『ん…っ……や…ちょっと……』
この場に相応しくない甘い声が耳元で、吐息とともに響く。思わず離れて顔を見ると、さっきよりもさらに顔が赤く、涙がこぼれ落ちそうで、何というか…凄くいやらしかった。
『ごめ……擦れちゃって……公延に言ったら、何か力抜けちゃった……』
俺を求める表情を見るのは初めてじゃない。けれど、今目の前に見える名前の表情はいつも以上に可愛くていやらしい。学校、自習室、制服、二人きり、そして下着を着けていないという状況がそれを助長しているのだろうか…。
駄目だ。こんなの我慢できる訳がない。
「あのさ……今日は…俺の部屋で勉強しないか?」
俺の言葉の意味が分かったのか、名前は少し驚いていたように俺を見て、コクリと頷いた。
『た、たまには…息抜きも必要…だよね?』
少し首を傾げながら甘えたように言う姿は、計算されていないとすれば物凄い罪に値すると思う。
はやる気持ちを抑えながら、俺は名前の手を取り、家路を急いだのだった。
その後どうなったかは、言うまでも無いだろう。
おわり
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