前編
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飲み会当日
俺はいつも通りを装い、店の中に入った。服こそそこまで気合いは入れていないが、ただピアスだけはあの日と同じ物を付けた。別に良い物でも何でもない、どこにでもあるデザインだけれど少しでもあの日に戻れたら…なんて歌謡曲みたいな思想をする自分がサブかった。
席に通され、既に来ているメンバーの中に一目で名前ちゃんを見つけた。あの日は涼しげなワンピースから白い腕を覗かせていたけれど、今日はカーキのタートルネックのセーターが肩をより華奢に魅せていた。そして迷う事なく名前ちゃんの隣りに行き、自然に話しかけた。
「久しぶりやな。元気にしとったか?」
『久しぶり〜!超元気やで』
名前ちゃんは既に出来上がっているようで、凄く陽気だった。その様子から、やはりあの日の事を未練がましく思っているのは自分だけなんだと思った。
今、自分はどんな顔をしているのだろう。
同じピアスなんか付けてきて馬鹿みたいだ。
それを悟られまいと、酒と一緒に気持ちを飲み込むしかなかった。
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